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歯科真因療法入門 対処療法からのプラスα

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「なぜ治療しても、また悪くなるのか」を考え続ける歯科医
坂本洋介先生と話していると、ある特徴に気づく。

先生は「どう治すか」よりも、「なぜそうなったのか」を考えている。

もちろん歯科医師だから治療はする。

しかし、その先がある。

なぜ同じ歯が何度も悪くなるのか。

なぜ治療しても再発するのか。

なぜ同じ処置をしても患者によって結果が違うのか。

そうした問いを何年も追い続けている。

私は出版の仕事を通じて多くの専門家と出会う。

知識が豊富な人は多い。

技術に優れた人も多い。

しかし坂本先生は少し違う。

目の前の現象に対して、

「本当に原因はそこなのか」

と問い続ける人なのだ。

今回の『歯科真因療法入門』は、その探究の集大成ともいえる。

本書の出発点は非常にシンプルである。

「歯科治療はなぜ繰り返されるのか」

という問いだ。

虫歯を治した。

被せ物を入れた。

歯周病も改善した。

それなのに数年後、また同じ問題が起きる。

歯科医療の技術は進歩している。

材料も良くなった。

診断機器も発達した。

それでも再発は起こる。

では何が起きているのか。

坂本先生は、その背景にある構造を見ようとする。

本書では、

「炎症」

「力」

「時間」

「生活」

という四つの要素から歯科疾患を捉え直している。

さらに、咬合、姿勢、睡眠、ストレス、口腔マイクロバイオーム、全身との関係へと視野を広げていく。

だからこの本は、単なる治療技術の本ではない。

もちろん歯科医師や歯科衛生士にとっては、多くの示唆を与える専門書である。

しかし同時に、

「症状ではなく構造を見る」

という臨床哲学の本でもある。

私は坂本先生と話していて、何度も感じた。

先生は歯だけを見ているわけではない。

患者を見ている。

生活を見ている。

そして、その背後にある原因を見ようとしている。

だから本書のタイトルにある「真因療法」という言葉には重みがある。

原因を探す。

さらにその奥にある真因を探す。

それは簡単なことではない。

しかし、坂本先生は長年の臨床経験の中で、その問いから逃げなかった。

本書は、そんな一人の臨床家の思索の記録でもある。

歯科医療をもう一段深く考えたい歯科医師や歯科衛生士にとって、非常に興味深い一冊ではないだろうか。

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